ずいぶん昔にも綴ったのですが、高校時代に愛読していた「Mr.Bike」という月刊誌が面白く。
単なるバイクの雑誌では無く、ライターの方々が変人揃いで企画から何から毎度楽しく。
カストロールの植物油で天ぷらを揚げたらどんな味がするか?とか、馬鹿々々しいというより身体を壊さないか心配で。
ずっと後のこと雑誌は廃刊となり、あのライターは無事に生きているのかしばらく前に検索したところ、無事でちょっとホッとしたりでした。
ちなみに、その天ぷらは結構美味しかったそうです。メタノールの密造酒並みに危険な挑戦にも思ったものでした。
その「Mr.Bike」が発刊された際、「ソローの森の生活」並みに最低限の荷物で旅に出ようというモットーがあったそうです。
バイク乗りというと、野蛮で無教養なイメージもあるのですが、文学青年的なその発想は美しく。
そんな経緯で知った森の生活も、なかなか面白い作品でした。
1854年に出版された作品は都会を離れ、池の近くに小屋を建て自給自足の生活を二年以上続けた経験談。
既に産業革命以降の出来事で時代に逆行した変人なのですが、生きる上で最低限何が必要なのかを教えてくれる作品でもあり。
考えようによっては悪書でもあります。文明社会を否定しかねない内容ですし。自分も学生時代にこの作品を読み、影響してしまった部分はそれなりにあります。
自分が園芸オジサンになってしまったのも、そんな経緯があったからでして。
ともかく、土から学べる事は多く。もっと早く経験してみるべきだったと悔やまれたりです。
ただ、若かりし頃は都会の刺激を求めがちでした。今となっては「ほとんどどうでも良い」世界でしかないものの。
昨日のこと、たまたま読んだ記事が面白かったです。
『ステージ4がん告知の森永卓郎66歳が緊急提言「発展途上国・日本」で生き抜く経済学「土地30坪」と「電気代ゼロ」』とのタイトル、同じことを考えていた人が居たんだなぁと。考えただけでなく、実践されていて。
本文の引用になりますが
『「県庁はシンクタンク。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性の高い人たち」とか言って静岡のバカな知事が辞任することになったんですけど、「あいつ農業やったことないんだ」って、私は真っ先に思いましたね。
農業は知恵比べなんです。しかも、相手が自然なんで、本当に思い通りにならないんですよ。私はまだ下手クソなんで、その収穫まで自分のプラン通りにいく確率って、今でも半分ぐらいしかないんです』については自分も全く同じことを思っていました。
よくぞここまで短文で明快に表現してくれたものだと。
どんなジャンルでもそうなのですが、単なる評論家になってしまっては駄目だと思うんです。
少しくらいかじった分野でないと、全く見当違いな妄想になりがちで。そこに共感などほとんど無く。
「じゃぁお前やってみろ」でボロが出がちだったりで。
下手糞でも続けてみたら、色々と発見があったりで。運動が苦手でもちょっとは嗜むべきだと思いますし、カタログスペックとかレビューばかり気にしていたら、本質は伝わらずでして。
川勝知事と森永卓郎さんの名前もちょっと面白く。
静岡の川を守る大義名分だった知事と、森を愛する卓上論だけではない作家と。
何だか、持って生まれた名前がその後の価値観を結び付けてしまうのだか。
自分の名前は「土」が縦に二つ重なっています。これも運命みたいなものだったのか。
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